生理的むくみの症状と原因
前回、むくみは大きく2種類あるとお話しました。
(生理的・病的)
今回は生理的なむくみ(一晩寝れば治ってしまうような一過性のもの)の症状と原因をあげていきます。
症状
⚫︎皮膚を指で軽く押した後、皮膚がくぼむ
⚫︎朝起きるとまぶたが重い、または腫れた感じがする
⚫︎夕方になると指輪や靴がきつくなる
⚫︎足に靴下のゴム跡が残る
⚫︎手を握ると張った感じがする
原因
⚫︎長時間にわたる同じ姿勢
立ち仕事やデスクワークなどで長時間同じ姿勢をとっていると、血液の循環が悪くなり、血管から細胞間への水分の流入が多くなったり、細胞間から血管への水分の回収が悪くなったりして、細胞間液が過剰になってしまいます。
また、重力の関係で水分が下半身に溜まりやすく、脚がむくみやすくなります。
⚫︎塩分過多
塩分(ナトリウム)を摂りすぎると、体はナトリウム濃度を下げるために水分を多く取り込もうとします。
そして体内の水分量が増加し、むくみとなって表れます。
⚫︎男女の差
女性ホルモンの分泌が生理的なむくみに関係するため、男性よりも女性に多く見られます。
(月経中)
女性ホルモンのプロゲステロンが増加し、体内に水分をためこもうとする作用が高まり、むくみやすくなる。
(更年期)女性ホルモンのエストロゲンが減少し、血流が悪くなるため、むくみやすくなる。
(妊娠中)大きくなった子宮が静脈を圧迫するため血流が悪くなり、むくみやすくなる。
その他、男性に比べて筋肉量が少ないことや、低血圧が多いことなども影響してきます。
⚫︎冷え
冷えも血液の循環を悪くし、むくみを引き起こす原因となります。
夏場にエアコンなどで体を冷やしすぎたり、冷たい飲み物を摂りすぎたりすると、体が冷えてむくみが生じやすくなります。
⚫︎脚の筋力の低下
加齢や運動不足などの影響で、脚の筋力が弱くなってしまうと、筋肉の収縮力も低下。
そのため、血管を圧迫しながら血液を上方に押し上げる「筋ポンプ作用」の働きが悪くなり、血液が心臓に戻りにくくなり、静脈に血液がたまりやすくなり、静脈内は圧力が上昇し、回収されるはずの水分が押し返されて血管外にあふれ出し、むくみを引き起こします。
⚫︎水分不足
体が水分不足になると、体外への排出を減らして必要な水分を体内へ溜め込もうとすることにより、むくみが起こりやすくなります。
さらに日頃から水分が不足しがちな人は、血液の循環や新陳代謝が鈍ることにより、慢性的にむくみが生じやすいと言われています。
水分を摂りすぎるとむくみませんか?と質問を受けましたが、
一度に大量の水分を摂取した場合などは、一時的にむくみますが、通常体内の水分量が増加した場合には、腎臓の働きによって尿の量が増加し、余分な水分が体外へ排出されるようになっています。
ですから、腎臓に障害のある方や腎臓の機能を超えるような飲み方をしなければ、水分摂取がむくみの原因になるということはありません。
このほかにも、ストレスや飲酒なども、むくみの原因になると言われています。